差出人: Takagi
送信日時: 2002年7月7日日曜日 14:02
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フリーバー度(7・7の綴り)

 さあて、充分時間も置いた事ですし、今日はたっぷりタプーリ書かせていただきましょう。僕らの長野県のお偉いお偉い県議の皆さんがある意味、いやズバリ厚顔無恥な田中知事の不信任案を提出し、しかも可決して、これから知事選(&県議選?)が行なわれることになり、いきなり慌ただしくなった。やっぱりヤパーリここはこの騒動の一番の原因でもある某Sダムの建設予定地の住民のひとりとしてもの申さねばならないとしばらく置いていた筆を(キーボードを、マウスを)とりました。さあ、もの申すぞ。と久々な割に社会派的な書き出し。オマエもっと他に書くことあるだろーが!とかオマエ今朝のサンデープロジェクト見てモロその勢いだろ!とかオマエのアゴは石井一久(ドジャース)似なんだよ!とかご意見色々ございますでしょうが、とりあえずご容赦。ちなみにワタクシのアゴは一久でなく雅子様ですのであしからず。

 まあひとえにダムダムといっても、ずーっと田中知事就任からある程度地元ではテンションと関心を持って話が進められてきたのだが、なかなか(結局は利権と効率の対決なんだけど)話が進まず、といってもワタクシ&ワタクシ家族(そして地元の利権に左右されることのない大多数の住民)は「当然の反対派」であるので知事の脱ダム宣言にも建設中止表明にも拍手喝采をそれなりのテンションで送っていたのだが、だいたいのところでしか事態を把握してなかった面もあり、今朝の某テレビ朝日の某サンデープロジェクトでの田中知事(←まだ職は辞してないので)と浜長野県議(←ワタクシの地元選出でありながらダム賛成派)との変則討論会(両者ともスタジオには来てはいたが、交代で収録スタジオに入り、司会者:田原総一郎氏と討論し、別室の一方と話す際も田原氏を介するというやり方)を見ていてよく分かってなかったところもやっとある程度理解したのでこうして勢いのあるうちに、というか覚えているうちに社会派コラムニストとして綴っとかにゃな。と思い立ったというわけ。

 そもそも某Sダム、というか某シモスワダム。なぜ作らなきゃならんのかって話になるんだけど、これが大義名分として、「100年に一度起こりうる大洪水を防ぐ為」なんですねえ。どうかしら?確かにばあちゃんなんかに聞いてみると、昔は何回か氾濫した事はあったみたいだけど、それは川が自然そのものの姿で流れていた頃の話。今はある程度の治水もなされており、少なくともワタクシが物心ついてからのこの約20年間は溢れたって話は聞いた事がない。まあ確かに超大雨が降ったら溢れるかもしれないが、そしたら多分他の川だって湖だって溢れると思うし、そのためにせき止め施設(もちろんダムね)を作っておきましょうっていう論調は、いつか富士山は噴火しますから火口をコンクリートで塗り固めておきましょうっていうのと変わんないと思うんだけどね・・・。
 まあこれはあくまでも表向きの建設理由だから説得力があんまりないのはやむをえないんだけどね。おそらく県議達の本当のところは2つのダムを作ることによって動く600億というカネ。そしてその裏で連動して動くカネと票。これがあるから土建屋さん上がりが多い県議さんたちも反対できず、賛成に回れないっていう”縛り”もあるんだろうけどさ。まさか県議たちも「風が吹けば桶屋が儲かるって言うでしょう?ダムが出来れば桶屋よりも効率よく私が潤うんです」なんて言うわけにいかないしねえ。だから県民の支持率がいまだ過半を超えている田中知事の揚げ足を取りまくってなんとか蹴落とす方向に持っていこうとしてるんだと思う。しかも県議たちも大手の支持者であるゼネコン関係からのプレッシャーもあるだろうしね。しかし子供じみてるねえ。議会が民意を反映しないなんて本末転倒だもんね。七転八倒。。。
 それに例えばダムを作るとして、それを請け負う業者ってのは(今日のサンデープロジェクト、あ、某サンデープロジェクトによれば)3社の合同工事ってことになり、その中で8割の仕事を請け負う2社ってのは長野県の業者ではなく所謂(:いわゆる)大手ゼネコンになるのだそうだ。この不景気の中で公共事業が地元企業に割り振られることで仕事、雇用が発生して経済が動くという事情は承知しているつもりだから同じ所を毎年掘り返している道路工事だってある程度は我慢できるってのもあるんだけど、そんなほとんどのカネ(しかもほとんど我々の税金・・・って夏のボーナスまで県税である自動車税を保留にしている身でありながら偉そうなんだけど)が県外に流れていってしまう工事を無理やりにでも作って建設業者(そこに群がる政治家さんたち)を助けましょうって言われてもねえ。県議たちも自分達の支持基盤(である県内の建設業者)があまり潤わないのを知っていてその立場を取ってるんだから可哀相でもあるけどね。もちろん県議たちの支持基盤にしてもヨコからタテからのプレッシャーと慣習で県議たちにそういう立場を取らせてるんだろうけどね。そういう背景がなければやつら(県議さんたちね)が頑なに県民のやはり過半以上が知事のダム建設反対の立場を支持しているという現状でありながらまったく建設賛成の立場から歩み寄る方向を見せないっていう、冷静に見れば相当異常なこの現状は説明が出来ないように感じる。本当にそこまでして自然を壊してダムを作る理由が見当たらないんだもん。
 まあもともと知事対県議会(とそのとりまき)という構図は田中知事が当選した時から始まってたからねえ。ずうっと県庁関係の役人あがりが取り仕切ってきて、みんなが、いや特にお役人が痛くないようにぬるーくぬるーくやってきた県政に、本当なら前副知事が多数の支持を得て座ってぬるくぬるくやっていくはずだった知事の席に「低俗小説家」田中康夫氏が座ってしまった。これじゃあぬるくできないじゃん、っていうその時の周囲の反感(名刺曲げたりいろいろありましたねえ)がそのまま2年間ひきづられてきて、結局こういう形になってしまったんだなあってのが正直なところかな。ってなんか振られた後の負け惜しみみたいだけど(笑)。
 まあ知事室で女性を膝にのせた写真が週刊誌(フラッシュだったかな)に載ったり、かわいくないぬいぐるみの「ヤッシーくん」にこだわりすぎたりとちょっと俗が過ぎるところだってあるけれど、この2年間で田中知事が開けてくれた風穴ってのは充分評価に値する。このダム問題だって、ぬるい人が知事になっていたらこんなに議論される事さえもなく、いつの間にか作られていたと思う。県民に是非の世論調査をしたところで「わからない」が大多数を占めたんじゃないかな?それだけ田中知事は少なくとも県民とは向かい合って話をしてくれたってことだ。対して県議さんたちはどうなのかって考えたら特別なにも思い浮かばない。もちろん露出が多いのは知事が圧倒的なんだけど、例えばこのダムの話もなんとしても建設せにゃ地元住民の安全が危ないと思うんだったらもっと街宣車でもなんでも使って直接ぼくらに訴えるなりなんなりすればよかったのに。そう思う。だからダムの地元でさえダム建設に反対という住民が6割近くを占めるんだよ。そのことに関して今日の討論に出席した浜県議は「反対という人でも直接会って話せば必要だってことを理解してもらえる」と言っていたが、もうこれは民主主義の否定だよね。元も子もない発言。それならばあなた自ら住民一人一人を説得して世論調査でダム建設賛成派が多勢にしなさいよ、としか言えないね。

 そして長野県ではおそらく選挙になる。この民意で順当に行けば田中知事は再選し、ダム賛成派の県議たちは何人かは落選するのではないかと思うが、そこが断言できないところなんだよね。またここでもタテとかヨコのつながりが出てくるからねえ。もとのぬるい県政に戻したい権力者がいっぱいいるんだからねえ。学力レベルは全国で下から3番目くらいに甘んじてるけど、かつての教育県の称号を持ち、上村愛子と杏子と乙葉と峰竜太を生んだ長野県。ここで民間力を見せなきゃダメでしょって心から思うよ。ぬるい世界に戻ったりしたら、長野県っていうくくりを返上したいくらい、そう思います。



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 今日のBGMは島谷ひとみで。
           2002.7.7       高岸 げひら
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