差出人: Takagi
送信日時: 2000年5月29日月曜日 18:04
件名: 結幕宴<1>

 またも晴れ上がった月曜日。週末に登ってきた標高1800メートル余りの会津磐梯山のちょっとした疲れが足に残る。充足感の引き換えの筋肉痛は悪いものではないけれど、あまり能動的に動きたくもない。こういうわがままが使えるのは無職の強み(苦笑)。

 土曜日は朝起きるとオヤジはもう山登りに向けてソワソワしていて、9時過ぎに出発の予定が8時半ごろの出発になった。福島までの約5時間の旅路は1時間半くらいで運転を交代しながら。妙高高原SAから阿賀野川SAを担当。快晴。通過した新潟市では窓からおそらく建設中のサッカースタジアムが見えた。でかかった。完成したら一度遊びにくるのもいい。
 片側一車線が多いとはいえずっと高速でいけるのはストレスも少ないし、やっぱり早い。2時前には寄り道スポットの喜多方に到着し、ラーメン屋を探していた。地元のマップを頼りに、かといってかなり行列している店もあったがそこは面倒くさいので避けて、「朝昼夜(確か”あさひるや”と読む)」というラーメン屋に入る。座ってみるとテーブルに「喜多方インターネットランキング」なるプリントした用紙があって、なんとその店が1位だった。お、いい店入ったのかな?という予感。名物という「ひまわりラーメン」なるものを注文。そしたらネギどっさりチャーシューもりもりのラーメンが出てきた。美味かった。満足。

 満腹になって、磐梯山に向かう。ふもとまでついて有料道路の入り口のセブンイレブンでおにぎりと弁当を買っていこうと思ったら、あろうことか全部売り切れ。近くのセブンイレブンの場所を教わるものの、そこもなんと売り切れ。仕方がないのでおにぎりが入荷するという4時まで一時間程度近くの公園で時間をつぶすことに。そしたら小学一年生と年中さんの姉弟に「あそんでー」と”逆ナンパ”されて3,40分一緒にブランコやら滑り台やらで遊ぶ。楽しかったがちょっと汗かいた。

 そうして戻ったセブンにはおにぎりも十分入荷されており、日曜の昼までの食糧を買い込んでいざ登山口の駐車場へ!道の脇にまだ雪が残ってたりして「あるところにはあるんだなあ」と感心。その駐車場についたらなんか登山者用の待機所みたいなものが出来ていた。毎年来ているオヤジがびっくりしてたからまだ新しいということ。まあ待機所と言っても屋根とベンチだけの待合室のようなものなんだけど、後でそれが重宝した。
 少ししてフカヤさんファミリー到着。でっかいキャンピングカーを借りてきたらしい。ちょうど僕が前回登った確か8年前にちょっとした縁で知り合ったのがきっかけで、毎年一緒に登るようになったご家族だ。
 今回はおじいちゃん、おじちゃん、おばちゃん、と息子さん3人と、に加えて長男のバンド仲間の2人もやってきてなかなかにぎやかに。ちょっと雲行きが怪しかったのでその待機所の屋根の下でバーベキューをする。うちからは馬刺しを持って行って、お互いにご馳走になりながら、酒やジュースを交わす。

 そのうちにアコギ(注:アコースティックギター)が2本登場してきて、主にミスチルのカバーをしているというその3人のバンド「天晴」の生ライブが始まる。かなりいい子達だったし、僕もミスチルはかなり好きなので、彼らに混ぜてもらって、スコアブックの歌詞を見ながら何曲も歌わせてもらう。すごく気持ちよかったし、みんなもいい笑顔をしていた。歌うってやっぱり何より気持ちいい。音楽で、つながれる。本当にそう思った。おじちゃんもおばちゃんもおじいちゃんも弟くんたちもうちのオヤジもみんな聞いてくれていたから。すごく幸せな夜だった。でも電気も(ケイタイの)電波も来ていない山の夜は早く、10時には寝た。サッカーのニュースで結果だけ知ってから。

 翌日(昨日)は4時起き。とはいえ自然に目が覚めた。車をフラットにして寝袋で寝たが案外良く寝れた。この辺は無神経な性格の賜物だね。特に寝ることに関しては。ただ夜中ふと目が覚めたときはちょっと怖くてすぐ目を閉じたけど。
 ちょっと天気は気がかりだったが、昨日の歌が良かったのか(←みんなでそういうことにした)朝食を食べて出発した6時20分には空は明るくなっていた。
 そんなに難易度の高くない山だとはいえ、やっぱり2000メートル弱の山に(途中からとはいえ)登るのはしんどいものがある。最初は威勢の良かった若者たち(?)も口数がちょっと減ってくる。でも適当なタイミングでコケてくれるファンキーな奴がいて笑ったりしながら、そして途中途中で景色を眺めつつの休憩と記念写真を挟みつつ、おじいちゃんのリュックサックの熊よけの鈴をききながら、山頂まであと20分という弘法清水(こうぼうしみず)まで登る。雨だと言う天気予報がうそみたいに好天。山の稜線が綺麗。ところどころに雪があるのも、もちろん滑らぬよう気をつけて歩いたがなんか嬉しかった。
 弘法清水で一休みし、湧き水を飲む。うまい。当たり前だ。ただでさえ美味い水をここまで来たと言う達成感とともに飲むのだから。もう一息だねーと声をかけつつ山頂へ。
 最後の登りはちょっとしんどかったが山頂が見えるのでひたすら目指して20分。ついに山頂到着。360度広がる景色を堪能し、ビールを飲み、お湯を沸かして粉末のコーンスープを飲む。サイコウに美味かった。このときのためにリュックに詰めて持ってきた食糧を皆で食べる。そしたらなんとフカヤ家のリュックからは僕たちを含めた人数分の「どん兵衛」が出てきて脱帽。ありがたく頂く。あったまる。
 そして同じ道を下る。そして弘法清水の上のちょっとした雪渓を尻にビニール袋を敷いて滑る。もちろん楽しすぎる。はしゃぎすぎてオヤジに突っ込んで足払いをしてしまったが、その罰だったのか別のグループのおばちゃんに今度は吹っ飛ばされて雪の上を転がった。みんな笑った。でもおばちゃんは太目の方で、かなりのスピードだった。肉弾と言ったら失礼だけど。ちょっとそんな言葉が頭をよぎったとか、よぎらないとか。
 弘法清水で湧き水を汲んで、そしてこの山開きの日に会わせて地元の郵便局が開設した仮設郵便局からはがきを出して、またいい足取りで下る。雨が降ってきたが、林の中だったので(もちろん濡れたけど)そんなに苦ではなかった。登りよりもすれ違う人への「こんにちはー」もみんな元気だ。こういうふうに『登る人皆仲間』みたいな感情を共有できるのも登山の魅力だと思う。

 無事到着して、着替えて、またの再会を本気で約束して、帰路につく。オヤジが疲れていたっぽかったので帰りは殆ど運転した。日本海側は風が強くて北陸自動車道ではかなりハンドルをとられたけれど。

 夕食後、シオリとCDを借りに行ったが、それで帰ってきたらもう眠くて眠くて。そりゃ4時から起きてればそうだよなあ、と自分に納得して、なんとか新聞のスポーツ面の記事だけ読んで寝た。
 そして起きたら筋肉痛だった。というわけ。
 というわけで今日は殆ど家から出なかったね。



◇◇◇◇◇TAKAGISHI◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

         モーむす。の新曲のバックにくわまん?

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