センター試験についての感想 大久保純男
オーラル・コミュニケーションが含まれた新教育過程への移行を反映して、昨年のセンター試験から
「対話」に基づく出題、あるいは「口語的な表現」に関する出題が大幅に増えた。今年はさらにその傾向
が強まったと感じている。口語・会話についてはなかなか虎の巻的な良いテキストや問題集というものが
まだできていない。幾つかあるが、一冊ですべてカバーすることは、文法、語法などと異なり不可能であ
るし、3年生になってから受験対策としてやる口語・会話というのはなかなか身につかない。
これは、たとえば、水泳の技術をプールに入らず教本から学ぼうとするのと本質は同じことだからであ
る。本校の英語科の生徒は1、2年次に計4〜5単位はオーラルコミュニケーション主体の英語を学ぶ時
間がある。今回の結果を分析する中で、実は受験英語に取り組む前の段階でこのような基礎があったこと
が大きく役立ったと思った。普通科でも、1、2年次に読み替えをせず、オーラルコミュニケーションを
ある程度行う、ということも検討に値するのではなかろうか。実際、進学校でも意外にそのような方針の
所も多いようだ。
センター試験で配点が高いのは何といっても長文読解である。「即戦ゼミ」などで身につく単語・文
法・イディオム等の知識が直接問われる部分は、実は比率としてはかつてよりは減少してきている。この
ような中で、1、2年次はもっと様々なジャンルのサイドリーダーをたくさん家庭学習で読ませることが
必要だと思う。できたら、月一冊、2年間で20冊読ませたい。これを維持するためには、本の選択を一
方的にせず生徒の興味とこちらが必要と考える部分のバランスを取り生徒に飽きさせないこと、また、ど
のように評価し成績に入れるかということ、などに留意すべきである。