−よし江のひとりごと−

参院選県区候補者に聞く

−公開質問状への回答−
2001年 7月22日掲載

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 私たち、信州・生活者ネットワークでは、第19回参議院議員選挙の、長野県区に立候補されている6人の候補者に、私たちが取り組んでいる、遺伝子組み換え食品や介護保険などの問題について、公開質問状を郵送し、渡辺信幸さんを除く、5人の方々から回答をいただきました。
 7月29日の投票の際の、判断材料のひとつになるよう、できるだけ多くの人にご覧いただきたいと思い、掲載しました。
 また、回答をいただいた皆さんの、今後の政治姿勢を、しっかりと見守っていくためにも、選挙終了後も、このページは当分の間、そのまま掲載しておく予定です。
 なお、各候補者の回答は、私たちネットワークの事務所に、回答が到着した順番に従って掲載してあります。

質問 遺伝子組み換え食品について、生産輸出国としてのアメリカ・カナダ政策と、消費者保護・予防対策・環境への影響を重視するEU政策のどちらを支持しますか?
小山峰男さん EU。
山口典久さん 生命の安全こそが優先されるべきであり、EU政策を支持します。
羽田雄一郎さん、「はた 雄一郎さん」、と読みます。以下 同じです。 EU政策を支持する。
佐藤節子さん EU政策。
吉田博美さん 安全性、消費者保護を第一とすべき。

質問 遺伝子組み換え食品の表示は、しょうゆ・油など、最終段階では検出できないという理由で、表示をしなくてよいことになっています。どのように考えますか?
小山峰男さん 表示すべき。
山口典久さん 原料にさかのぼれば分析は可能であり、選択する権利は消費者にあるので、表示するべきです。
羽田雄一郎さん 今後の技術進歩を踏まえ、可能な限り表示に向けた取組をすべきと考える。
佐藤節子さん 表示には、審査の透明性と正確さ、わかりやすさが求められます。「消費者の選択に委ねる」というレベルではなく、食品が安全かどうか、消費者誰もがわかる表示と、的確に判断できる表示方法が必要です。
吉田博美さん 消費者へは、最大限の情報を提供すべき。

質問 遺伝子組み換え作物による、自然界への影響はどう考えますか?
小山峰男さん 当然影響がある。
山口典久さん 人為的な遺伝子操作が、自然のサイクルを狂わせる可能性は大きく、科学的な解明は充分にされていないが、影響は必ずあると考えます。
羽田雄一郎さん あると思う。例えば、植物の種は風や鳥などにより、5キロメートル四方に運ばれる。遺伝子組み換えの安全性が不透明な今は、作ること自体から、もう一度みなおしたほうがいいと思う。
佐藤節子さん 組み換え遺伝子が、周囲の生物に拡散して、生態系を変えてしまう危険性があります。人間がこれをコントロールすることは不可能です。
吉田博美さん どのような影響を与えているかについては、その情報を保持しているそれぞれの機関が、国民に情報提供すべき。現在、情報量が少ないのではないか。

質問 イネの遺伝子組み換えの研究が行なわれています。JAの実験を支持しますか?
小山峰男さん 実用化を前提にしない研究であれば、否定するのは難しい。
山口典久さん 遺伝子組み換えそのものに、現時点では疑問を感じています。実験を急ぐことなく、慎重にしてほしいと思います。
羽田雄一郎さん 何より、国民の生命と健康を守る観点を重視して考えるべき。
佐藤節子さん 支持しません。
吉田博美さん 技術的な研究そのものは、否定するものではない。

質問 遺伝子組み換え技術は、食糧問題に有効だと思いますか?
小山峰男さん 現在のトウモロコシの混乱を考えれば、やめたほうがよい。
山口典久さん 食糧問題には、他の方法で対処すべきだと考えます。
羽田雄一郎さん 安全性を確認できない限り、この問題に有効とは思えない。身体への影響等、健康問題と深く関わることから、慎重な検討が必要。
佐藤節子さん 遺伝子組み換え技術の特許を持つ多国籍企業に、世界の食糧生産が握られてしまう危険があり、健康への危険、環境・生態系への危険が伴うことから、世界の食糧問題を解決する技術だとは思いません。
吉田博美さん 世界総人口の、今後の急激な増加を考えると、食糧問題は真剣に議論されるべきであり、遺伝子組み換え技術が、安全でかつ、食糧問題解決に向けて、有効な方策となってほしい。

質問 国内自給率は、現在40%台となっています。このことについてどう考えますか?
小山峰男さん もっと自給率を引き上げるべき。
山口典久さん 日本には本来、食糧を自給できる生産力(能力、意欲、土地)があり、安全性の問題や、今後 の世界的食糧危機の問題を考えても、基本的に100%自給をめざすべきです。
羽田雄一郎さん 民主党は、当面の自給率を50%に定め、自給率向上と、循環型農業政策の確立を目指す。21世紀は、食料が不足する時代といわれています。私たちの生きていく糧を、輸入に頼っていては、国自体が滅びてしまうと思う。農業問題というより、農業のあり方を、もう一度原点から見直し、農業を保護する政策だけでなく、将来の夢が描ける産業としての農業政策に、取り組んでいきたいと思う。
佐藤節子さん 日本の食料自給率は、先進国で最低です。世界の食糧危機が迫っている中で、お金に物を言わせて、世界の食料を買い漁ることは、もう許されることではありません。私たちの食卓を守るために、そして日本の農業・農村を守るためにも、食料自給率を向上させることが必要です。
吉田博美さん 自国の安全な食料を摂取することが望ましい。先進国の中でも、日本のこの数値は非常に低く、農業政策を含め、さらに自給率の向上に努めるべき。

質問 介護保険制度が始まって、1年が経過しました。制度の見直しでは、どんな点を問題と考えますか?
小山峰男さん 低所得者対策、介護報酬の見直し。
山口典久さん 長野県の5月末の調査でも、認定者でさえ介護サービス利用者は、わずか35%にとどまっています。施設入所希望者が多いのに、特養ホームが足りない、ヘルパーのサービスに、介護と家事での評価が違う等、利用しづらい、利用料が高いので利用を控える等の問題があります。
羽田雄一郎さん 保険料と利用者の負担の低所得者対策、質の伴った介護サービスの基盤整備、介護報酬の見直しの前倒し、ケアマネージャーの充実、地方施策の強化、身体拘そくゼロの徹底、介護労働者の実態調査と労働条件の改善、NPO提供のサービスの非課税化。
佐藤節子さん 制度開始から、当初の予定より施設入所の希望が倍増し、基盤整備が遅れています。また、介護事業者や自治体は、多くの矛盾点を抱えています。保険料の見直しとヘルパーの増員を行ない、誰もが使いやすい介護保険制度が必要です。
吉田博美さん 施設整備を進めて、人材養成の財源も確保すべき。痴呆性高齢者の実態に見合った、要介護認定にすべき。

質問 保険料、利用料などをはじめとして、問題も出てきています。介護保険に関して、自治体への国の負担は、より必要と考えますか?
小山峰男さん 基本的には保険制度であるため、保険の枠内で行なうべきだが、国の補助は必要。
山口典久さん 保険料、利用料の実態に見合った減免が、どうしても必要であり、国で制定した制度である責任からも、自治体への財政支援をするべきです。
羽田雄一郎さん 低所得者に関わる保険料、利用料の減免について、財政的裏付けは、国の責任で行なうべき。
佐藤節子さん 新たな負担となっている、介護保険料や利用料は、国で負担することが必要です。また、直接の介護サービス以外にかかる、事務的経費・交通費・各施設との連絡調整費などは、国の負担にすることも必要です。
吉田博美さん 介護保険制度は、地方自治体が真の自立をするためにも、円滑な運営を図らなくてはいけない。そのためにも、地方に、財源を伴う分権がなされなくてはならない。

質問 現在の子供をとりまく環境(社会・教育)を、どう考えますか?
小山峰男さん 地域が子供を育て、守る枠組みが必要。
山口典久さん 基礎学力をしっかりつけて、生きる力を育ててほしいが、学習指導要領の内容は、そのことが重点になっていない。他の先進諸国にはみられない、「過度な競争によるストレス」を、1998年に、国連の子どもの権利委員会から勧告されており、受験競争の解消、30人学級の実現などに、真剣に取り組むべきだと思います。大人社会のモラルの確立も急務です。
羽田雄一郎さん 学校現場では、学級崩壊、不登校、いじめなど、問題を抱えて苦労している。社会の急激な変化により、家庭、地域、社会そのものが、教育力を失っているのではないか。また、子育て家庭にとって、保育サービスの不足、経済的負担などで、仕事と家庭の両立が厳しい状況にある。今の子ども達にとって一番必要なことは、体験学習とボランティア活動だと思う。
佐藤節子さん最近の殺伐とした事件を考えると、とめどない市場経済の流入で、家族と地域社会が壊れつつあるように思います。地域住民、そして21世紀の主役である子供たちの声を取り入れた、民主的な教育と、地域社会の環境づくりを進めることが重要です。
吉田博美さん 一定の学力を確保した上で、健全育成を重視すべき。週5日制が始まれば、子供が休日を、地域の中で過ごせるような環境を作る必要がある。

質問 長野県の田中知事の、「脱ダム宣言」についてどう思いますか?
小山峰男さん 住民が、公共事業の是非について積極的に参加することは、地方自治の本旨であり、全国に拡げていきたい。
山口典久さん 急峻な地形の長野県は、地滑りや危険箇所も多いが、従来のような、コンクリートによる構造物に頼る方法から、造林や遊水地、住民の協力による総合的な対策で対応していくという、「脱ダム」の考え方は、環境の世紀にふさわしく、時代の流れであると思います。「宣言」で述べている、「日本の背骨に位置する」‐水源地でもある長野県にとっては、大変重要な考え方だと思います。
羽田雄一郎さん 森林のもつ保水機能、土砂流出防止機能等、自然のためにも、緑のダム化を検討することは良いことだ。これまでは情報公開もなく、安全基準確保も怠ってきた。これを機に、これまでの経緯や信州独特の地形を含め、十分あり方を検討すべき。
佐藤節子さん 自然環境への負荷から考えられた、この宣言は大いに評価します。しかし、地域の治水を考えれば、住民の声は無視できません。治水・利水両面から、住民参加の十分な協議をした上で、結論を出すことが必要です。
吉田博美さん 「脱ダム宣言」は理解するが、地域の事情があるので、ダムを選択肢に入れて考える必要がある。計画段階から、住民の声を聞くことが大切だ。

質問 議員になったとき、一番とりくみたい政策はなんですか?
小山峰男さん 地方分権の推進により、元気な信州を作りたい。
山口典久さん 地球環境の将来について、多くの方々が不安を持っています。「京都議定書」の批准と効力のある実施のために、力を尽くしたいと思います。子ども達のために未来のために、美しい地球を残し、しっかりと手渡したいと思います。
羽田雄一郎さん 私は、学生時代から保育士の資格をとり、教育と福祉を生涯の仕事と定め、幼児教育、青少年健全育成、老人介護などのボランティアに励んできた。そこで得た貴重な体験が、私を政治の道へと駆り立てた。今後も、教育、保育、福祉に、全力で取り組んでいきたい。
佐藤節子さん 高齢化社会が進むなかで、年金・医療の不安を解消し、誰もが使いやすい介護保険制度をめざして、とりくみたいと思います。
吉田博美さん 全県区が選挙区であるため、長野県全域に関わることに取り組めるのではないかと思う。6年間という任期の中で、財源の伴った地方分権の確保に向け、取り組んでいきたい。


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