−よし江のひとりごと−遺伝子組み換え食品について |
2001年 2月 5日掲載 |
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私たち生活クラブでは、遺伝子組み換え食品は使用しない、またそのために、遺伝子組み換え食品には、その旨の表示を、法的に義務づけることを求める運動を進めています。その一環として、少なくとも学校給食には、遺伝子組み換え食品を使用しないことを求める署名活動を進め、昨年、長野県内の23の市町村議会に対して、小中学校、保育園の給食に、遺伝子組み換え食品が混入しないよう、充分な施策を講ずることを求める請願書を提出しました。 ここでは、なぜ私たちが、このような運動を進めているか、その理由について、私なりの考え方を述べたいと思います。 「遺伝子組み換え食品」ってなに?とか、遺伝子組み換え食品を使用すると、何が問題なの?といった疑問をお持ちのかたは、「安田節子の遺伝子組み換え食品入門」を、ご覧下さい。分かりやすい解説が掲載されています。 また、「遺伝子組み換え食品研究所」というWebサイトでは、賛成派(遺伝子組み換え食品は、安全だと主張する人たち)の意見と、反対派(遺伝子組み換え食品は、危険だと主張する人たち)の意見を、比較しながらご覧になれるようになっています。 「遺伝子組み換え食品」って、本当に危険なの?と、改めて問われれば、現時点では、それは分かりません、と答えざるを得ません。しかし逆に、本当に安全だ、というのも確実に証明はされていない、ということも言えます。そして、ずっと使用して、それが危険だと分かったときには、すでに手遅れであるということです。 国は、「安全基準」を制定し、それに合格したものは安全である、という立場をとっています。しかし、その「安全基準」は、「毒性」や「アレルギー性」といった、使用してすぐに影響が現れる、短期的な安全性に関するものであり、長期的な安全性については、何も評価されていません。ずっとそれを食べても、人体への悪影響はない、ということを証明するためには、もっと長い時間をかけて、検証する必要があると考えます。 皆さん、過去にも似たような事例があったことを思い出してください。その中から、「フロン」と「アスベスト」を例にとって、考えてみたいと思います。 ◎「フロン」のケース 「フロン」は、1930年にアメリカで開発された化学物質で、毒性もなく、科学的に安定なため爆発の危険もないなど、優れた性質を有していることから、冷蔵庫やエアコンの冷媒や、スプレーの噴射剤などに広く使用されていました。 しかし、1974年になって、初めてこの「フロン」が、オゾン層破壊の原因になっている、との研究報告が発表され、1990年にようやく、「フロン」の使用を禁止する条約が締結されました。 すなわち、それが出現して40年以上たってから、それが人類だけでなく、地球上の生命全体にとって、とても危険な物質であるということが明らかになった、ということです。 ◎「アスベスト」のケース 「アスベスト」は、「石綿」とも言われる、天然に存在する繊維状の鉱物で、繊維であることから、いろいろな形状に加工しやすく、燃えにくく、断熱性が高いなど、優れた性質を有していることから、欧米では1930年代から、日本でも1945年以降、耐火建築資材として、大量に使用されるようになりました。 しかし、1980年代になり、この「アスベスト」が、とてもまれで、死亡率の高い、特殊な肺ガンを引き起こすことが明らかになり、欧米では使用が禁止されるようになりました。(ちなみに日本では、今でも、取り扱いについてはさまざまな規制が課せられていますが、完全に使用禁止にはなっていません。) すなわち、それが大量に使用されるようになって、50年ほどたってから、それが発ガン性のある、危険な物質であるということが明らかになった、ということです。 これに対し、「遺伝子組み換え食品」は、1994年にアメリカで栽培された、長持ちするトマトが最初であり、その出現から、まだ10年もたっていません。こんな短期間では、人体に対してどんな影響を与えるか、完全に解明するのは不可能であることは、過去の事例からも明らかです。 もっと長い時間をかけて、充分に検証し、それが安全であるという科学的な根拠が明確になるまでは、使用すべきではない、というのが、私たちの考えです。 ずっと使い続け、40〜50年後に、それがとても危険なものである、ということが明らかになった場合、その結果、もっとも深刻な影響を受けるのは、私たち大人ではなく、皆さんのお子さんやお孫さんたちです。 私は、このように将来、危険なものとなる可能性を、完全には否定できない以上は、少なくとも子供たちの食事には、「遺伝子組み換え食品」は使用しない、させないように努めるのが、親の責任であると考えます。皆さんは、いかがお考えでしょうか。 |
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