アピール文

田中知事不信任案可決に対する信州ネットの考え方
2002年 7月13日

 音声ブラウザによる聞きやすさを考え、アピール文の原文に、多少の変更を加えていますので、ご了承ください。とは言っても、本来の主旨を変えるわけにはいかないので、必ずしも充分とは言えません。まだまだ聞きとりにくい部分があると思いますが、ご容赦をお願いします。



<長野県政>
 知事公約「事業の公益性を再評価し、税金の無駄使いを止める。」
     「反対のある大型事業は、白紙から議論し直す。」
 見直しを公約に掲げ、当選した田中知事は、改革するために事業の見直しを始めました。大きな変革を遂行するには、時間と痛みを伴うものです。就任からわずか1年8ヶ月で結果を求める、県議会の姿勢は、無理があると考えます。
 理念のみの議論との批判もありますが、未来を見据えた理念なくして、政治を進められるものでしょうか。


<議会ルール>
 議会ルールの基本は、理念の違いをぶつけ合い、議論することではないでしょうか。県民にその違いが見えて、初めて理解することができます。
 徹底的に議論することなく、政治手法が違うという理由で、不信任案を可決した県議会の姿勢こそ、民主主義における、議会のルールをないがしろにしたものと言わざるを得ません。
 田中知事が無視したと県議会が主張している、いわゆる「根回し」という政治手法は、密室政治を助長するものであり、議会の情報公開に逆行するものと考えます。


<治水問題(脱ダム)>
 治水については、「これで絶対洪水は起きない」と言える対策はないと考えます。
 欧米では、すでに治水に対する考え方は、自然再生に大きく変わっており、国土交通省の河川審議会でも、脱ダムの方向が示されています。
 ダムによらない治水対策が、具体的に示されていないという指摘は、順序としてあり得ないと考えます。県議の提案による、「県治水利水ダム等検討委員会条例」によって、検討委員会が設置され、その答申によって、知事の、ダム中止の方向性が示されたことは、手続きに沿って行なわれた訳であり、検討委員会で審議中に、代替案を出すことは、検討委員会を軽視し、形骸化させるものと言えないでしょうか。


<下諏訪ダム問題>
 生活者ネットワーク下諏訪が、昨年6月に実施した、ダム建設予定地の住民と、砥川沿い、「とがわ沿い」、と読みます。の住民、1,500世帯を対象としたアンケート調査においては、ダムによる治水を望む人、16%、ダム以外の方法による治水を望む人、77.3%、分からない人、5.3%という結果となり、今回、マスコミが行なったアンケートと、ほぼ同じ内容となっています。ダム以外の方法を選択している民意を、県議の多数が認めようとしないのは、理解に苦しむところです。


<信州・生活者ネットワークの政治姿勢>
 信州・生活者ネットワークは、環境・福祉・食を大切にした生活者の視点で、お任せではない市民自治を進めています。
 今後の県議選では、市民の声を議会に届ける、候補者の擁立を考えていきます。