1日目
茅野発5:00→沢渡6:40→上高地バスターミナル7:30→河童橋7:40→明神8:50→徳沢園10:15→横尾山荘(昼食)12:00→
一気に登りに入る 本谷橋13:30→険しい登りを経て 涸沢ヒュッテ15:30 涸沢ヒュッテ泊
2日目 パノラマコースを下山
朝食5:00 涸沢ヒュッテ6:30→屏風のコル7:50屏風の耳→奥又白谷分岐(林の中に井上靖の小説「氷壁」のモデルのナイロンザイル事件の碑がある)→新村橋→徳沢園→明神 →河童橋→上高地バスターミナル→沢渡4:15→茅野着6:30
2012・8・25・26
横尾山荘まで3時間
本谷橋
明神からの登山口
雪解けの池に映る涸沢槍
2日目
下山 パノラマコース
振り返ると、昨夜泊まった涸沢ヒュテとカール、その奥には涸沢小屋が見えた
屏風のコルより遠く涸沢
素晴らしいお天気に恵まれ、涸沢を堪能。
私は、初めて山小屋に泊まりました。そこから見渡す景色は、言葉では言い表せないほどの感動の世界でした。
ゆっこさんと二人で頂いたヒュッテテラスでの、生ビール、、おでん、そのおいしいこと。こんな贅沢はありません。
陽が落ち、暗くなってゆくカール、色とりどりのテントに灯りがともり、ゆらめいている。次第に山々は群青のシルエットに変わっていった。
翌朝、4時に起きて外に出てみると、夜空には満天の星、オリオン、カシオペア、天の川も見えました。星々の近いこと。
5時の朝食、5時15分モルゲンロート(朝焼け)の涸沢槍、そして静かに黄金に染まる山々が広がってゆく。
やがて東の山からは、まばゆいばかりの、ご来光。手をあわせました。
6時30分、パノラマコースを下山する。一旦登り屏風のコルからは、槍ヶ岳が見えました。
ここでリュックを下ろし屏風の耳に登り、穂高連峰の素晴らしい眺望に、またまた感動でした。
トリカブト、フウロなど高山植物の群生の斜面をひたすら下り、途中、疲労痛の膝にテーピングしていただいて、無事に下山が出来ました。
少し前、五木寛之さんの、「下山の思想」を読んだ。 下山という言葉をとうして、人生のありよう、閉めかたの大切さを考えさせられた。
五木さんは、その中で、登るより、下山が大事。何時からかそう思うようになった。
下る時は細心の注意が必要だからだ。年齢のせい、時代のせい、仕事の面でもそうだ。
戦後、私達は敗戦の焼跡の中から、営営と頂上をめざして登り続けた。そして、幸運の風にも恵まれ、見事に登頂を果たした。
頂上を極めたあとには下山しなければならない。
それが登山というもの。古代から、現代まで、又、昔も今も変わらない人間の生き方。私達は生まれて生きて、死んでゆく。
下山の途中に見えるもの。
美しい風景。 遠くの海、町の風景、岩陰の花、それらを眺める心の余裕に気づく。
自分の来し方、行く末。 いま自分はどこにいるのか、行く先はどこか、考える時。
成熟への道。 ポルトガル、スペインなど下山の先進国を見て学ぶ。
希望。 日は堂々と西へ沈み、また昇る。下山の先にも新たなスタートがある。
登山して下る。それが、山に登ることの総体である。あまりの人は、この下山について意識しないように思われる。実際に登山という行為の後半部分というか、しめにあたる重要な場面であるにもかかわらずである。
しかし、この下山こそが本当は登山のもっとも大事な局面であると思えてならない。と。
心と筋力に余裕がないのが、悲しいかな、私の器なのかもしれません。ご一緒していただいた方々に心から、感謝申し上げます。
最高の登山でした。
ご来光を背に、ゆっこさんとれーちゃんの喜びのハートのシルエット分かりますか?
ゆっこさんとれーちゃん、左下にいます。ここに泊まりました。
夕暮れのカール
向こうに涸沢小屋の灯りが見える