作成した光触媒の機能評価

酸化チタン光触媒の機能評価

 用意した13種類の酸化チタン光触媒について、それらの触媒としての活性を見るために、機能評価を行った。しかし、用意した光触媒がすべて同じ時期にできたのではなく、活性の良い触媒を求めて調整方法を変えながら光触媒を作ったため、すべて同一の条件で機能評価を行ったわけではない。光触媒の種類が増えてくると、機能評価の方法をそろえる必要ができたため、後半では光触媒製品技術協議会による液層フィルム密着法1)を参考にして、私達の評価方法を考え定法とした。

液層フィルム密着法

 @.メチレンブルーMB10mgを蒸留水100mlに溶かしてMB原液とした。
  A.MB原液を蒸留水で10倍に薄めてMB希釈液とした。
  B 触媒表面にMB原液0.2mlMB希釈液0.2mlを乗せ、3cm四方に切ったポリ  エチレンフィルムを被せて小型光照射装置の中へ置き、ブラックライトに  よる紫外線を照射した。
 C.1時間の光照射後、MBの青色が脱色されれば触媒活性ありとした。

市販の光触媒との性能比較

 以下の4枚の光触媒に、メチレンブルーMB原液0.2mlとメチレンブルーMB希釈液0.2mlを別の位置にたらし、それぞれにポリエチレンフィルムを被せた。それらを小型光照射装置に入れ、ブラックライトを照射した。(液層フィルム密着法による)

(1)コーティング液をタイルに塗って600℃で10分焼結したもの(TiO2コーティング液のみ)
(2)コーティング液とTiO2粉末(P25)の混合液をタイルに塗って同様に焼結したものTiO2コーティング液+TiO2粉末(P25)
(3)市販(A社)のコーティング液をタイルに塗って乾燥させたもの
(4) 市販(A社)のコーティング液をタイルに塗ってから500℃で10分間焼結したもの

 光触媒タイルの性能を液層フィルム密着法により20分間光照射した写真(左上(1)、右上(2)、左下(3)、右下(4)それぞれのタイルで左上がMB原液0.2ml、右下がMB希釈液0.2ml

結果 
光照射してから10分後、(2)MB原液、MB希釈液ともにほぼすべて消えていた。(1)(3)(4)は、MB希釈液は消えたが、MB原液の色は消えなかった。その後10分間(20分間)光照射をすると、(4)MB原液の色が少し残っていたが、(1)(3)はあまり変化なかった。
20分光照射した後、蒸留水を数滴垂らしたところ、タイル(2)は水滴が広がり始めて強い親水性が見られた。タイル(4)は若干水滴は広がったが、他は変化しなかった。親水性についてみると、タイル(2)には強い親水性が見られ、タイル(4)はある程度の親水性、タイル(1)(3)は変化が見られなかった。
これらの結果から、市販品に比べても私達が製作した方法による光触媒の性能は、決して劣ることはなく高いくらいであることが分かった。

トップページに戻る

光触媒のトップページに戻る

参考文献
1)光触媒製品技術協議会ホームページ 
   http://www.photocatalysis.com/index.html