測定方法A 自作装置による一酸化窒素、二酸化窒素の測定
同じ交差点でも時間によって交通量が違うため、1時間ごとの窒素酸化物濃度の変化を見るために私たちで工夫した窒素酸化物測定装置について説明したい。
この装置は文献(1)を参考に使いやすいように工夫した。まず、熱帯魚用のエアーポンプから流量計で毎分300mlに調整した空気を自作装置に送り、それから、50mlに測ったザルツマン試薬に通して二酸化窒素を反応させる。そして、反応しなかった一酸化窒素は酸化剤(硫酸酸性過マンガン酸カリウム溶液1リットル)に通して反応させて二酸化窒素にし、別のザルツマン試薬と反応させ、流れた気体の量をガスメーターで測るしくみである。
私たちは、この自作の実験装置を使って粟沢橋交差点と霧ヶ峰ビーナスラインの窒素酸化物の濃度を測定した。霧ヶ峰ビーナスラインの測定場所は霧ヶ峰ドライブインの駐車場で去年(2002年)は7月21日海の日に交通量がピークになるといわれていて、交通量と窒素酸化物の関係を調べるのに良い機会だったので測定を決行した。
測定方法は、先ほど説明した窒素酸化物測定装置を用いて、7月21日の8時から17時まで行った。また、粟沢橋交差点では7時から20時まで行った。
1.方法
@上図の装置のNO2吸収管とNO吸収管にザルツマン試薬 50mlをいれた。
Aエアーポンプのスイッチを入れ、大気を送り込む。この時、流量を300ml/分に調整した。
Bガスメーターの目盛を記録しておき、流れた大気の量を調べた。
C測定中30分ごとに、デジタル温度計で温度と湿度を測定した。
D測定済みのザルツマン試薬は、学校に持ち帰って545nmの吸光度を測り、亜硝酸ナトリウムによる検量線から反応液の濃度を求めた。
E測定空気中のNO2とNOの濃度【ppm】は次の計算式から求めた。
計算式は以下の通りである。
NO2(ppm)=(50×C)/0.84×1/V×22.4/46×700/760×(273+t)/273×0.8
NO(ppm)=(50×C)/(0.84×0.7)×1/V×22.4/46×700/760×(273+t)/273×0.8
C・・・検量線から求めたNO2イオンの濃度〔μg/ml〕
V・・・測定装置を通った空気の体積(ガスメーター)の読み〔g〕
T・・・測定時の気温(℃)
0.84・・ザルツマン係数(測定空気中のNO2がザルツマン試薬と反応する割合)
0.7・・酸化係数(測定空気中のNOが酸化剤でNO2に酸化される割合)
参考文献
(1)天谷和夫、「みんなでためす大気の汚れ」、合同出版(1989).