霊園の隣りに咲く花桃が、風のいたずらに散り急ぎ、地面をピンクに染めあげた。新緑の中、ウグイスがしきりに鳴いている。
  千里鶯鳴いて緑紅に映ず― 
  南朝四百八十寺 多少の楼台―
 大陸の景色の広がりは比べようもないけれど、中国唐代の詩人杜牧の『江南春絶句』の音と色彩がそこにある。
 山すそにある菩提寺の、穏やかな春の情景―。

2011年5月14(土)

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惜桜小屋絵日記