夜明け前に小屋につき、しばらく野鳥の声に耳を澄ます。
 まだ薄やみにある小屋の森は、キビタキ、オオルリ、ツツドリ、トラツグミ、ウグイス、クロツグミなど、素人にも聞き分けられるお馴染みさんのほか、サテなんだろうといった歌声も混じって、賑やかい。
 やがて朝影(あさかげ)に新緑がうかびあがるころ、目の前のウワミズザクラに止まったヤマガラがスッと、すぐそばの煙突に入った。
 しばらくして出て行ったあと覗いてみたら、数個の卵が見えた。
 子育ての大切な時期だ。いたずらに刺激すれば、すぐに営巣放棄されてしまう。当分は小屋ライフが窮屈になりそうだ。

2011年5月9(月)

戻る

惜桜小屋絵日記