軽トラを麓に止め、歩いて向かった。山道の雪はまだ浅い。野うさぎの足跡は途中から林に入っていく。跡をたどると、惜桜小屋のすぐ下で左へそれ、更に奥へと続いている。歩幅から急いでいるふうでもない。
 通い始めて20数年、足跡やフンなど痕跡は残っていても、未だ姿を見せない森の隣人、野うさぎに一度でいいから会ってみたい。森の食物連鎖の下位にあって、ひたすら逃げるだけ(?)の苦労話も聞いてみたい。
 卯年の今年こそ―。

2011年1月9日(月)

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惜桜小屋絵日記