小屋の森に向うふもとの野みちに生い茂る夏草の陰で、じっとたたずむオスキジが一羽いた。大自然の運行に身をゆだねる気ままさを、かみしめ楽しんでいるようなその姿に、孤影は感じられない。
驚かさないよう、十数メートル手前にそっと足を止めて待つ。
ただ、緑の草木にそそぐ夏の日差しがかもしだす景色の空気は、移ろう季節の愁いを少しずつ、織り込み始めたように見える。
2009年8月26日(水)
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惜桜小屋絵日記
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