まだクチバシの黄色い5羽のツバメの子が、家の前の架線にとまっている。背にした北の空は灰色の雲におおわれているが、西空は晴れて日の入り近い夕日が、赤褐色のノドを明るく照らしている。
数分を置かず、親ツバメがやってきて、口移しで与えているのはトンボのようだ。翼をふるわせ食事をねだる姿は、まだまだ甘えん坊である。
数キロ離れた上川のヨシ原が、この地方の1万羽を超すツバメのネグラになっている。この親子もすぐにそちらへ向うのだろう。
大きな群れをつくって南国へ旅立つ10月上旬まで、しばらくは親子水入らず、平和な日々がつづく・・・。いやつづいてほしい。