2009年6月9日(火)

 軽井沢の追分宿から入山し、石尊山(せきそんさん 1667m)を下に見る、浅間山の肩を越え、第一外輪山トーミの頭や黒斑山(くろふやま)を見上げる火山館(無料休憩所)まで、浅間山麓往復20余kmのトレッキングを楽しんだ。
 赤、紫、白と、登山道に咲き競う色どり豊かな初夏の花々。ふり注ぐ若葉の木漏れ日はやわらかく、木々を渡る風の音も、野鳥のさえずりも心地よい。
 

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惜桜小屋絵日記


 石尊山に向う登山道に、数株咲いたミズチドリ(ラン科)をみつけた。
 かすかな芳香を放つ、千鳥の舞い姿に似た、白い蝋細工のような花が、目を引く。
 木陰に群れ咲く小さな紅色の花を目にとめ、かがんでよく見るとカモメラン(ラン科)だった。
 名前は、あとで火山館の管理人さんから聞いて分かった。「貴重なランですよ」と言われたが、撮影場所はもうおぼろである。
 林床を淡紅色に染めあげるほど咲いたイワカガミは今が盛り。
 標高1300mくらいから上の登山道周辺は、白いツマトリソウとこのイワカガミの競演が見事−。
 浅間山の肩の手前あたりから目につきはじめるハクサンイチゲは、日本を代表する高山植物のひとつ。
 梅に似たかたちの、しっとりした白い花びらは、疲れたからだを癒し、ホッとひと息つかせてくれる。
 写真上左から ミヤマハンショウヅル、ツマトリソウ、トーミの頭下の崖に姿を見せたカモシカ、高山の鳥のホシガラス、コケモモ、まだ新緑のミズナラ林。
 ▲浅間山肩を越え天狗の露地から見る浅間山
 アプローチが長い分だけ登山道はなだらか。木々の奥からキビタキ、コルリ、ホトトギスなど、野鳥のさえずりが絶え間なく聞こえてくる。
 身近な里山ではめったに聞かれなくなったジュウイチ(慈悲心鳥)が、天狗の露地で繰り返し啼いていた。