2009年5月30日(土)
すっかり緑が濃くなった小屋の森の、この木々のどこかに今啼いているのは、ヒー、ヒーと、聞くものを幽玄の世界に誘うトラツグミだけれど、怪鳥(?)だけあって一切姿を見せない。ポンポン、ポンポンとのどかに鼓(つづみ)を打つツツドリも若葉の陰にある。
ふたりとも先月からこの森の住人である。カラマツ、ミズキ、ケヤキ、ホウ、クリ、コナラ、ヤマザクラ等々の落葉・常緑高木の、デッキから見上げる林冠が歌のステージ。確かにあのあたりと見当はついても、影すら見えない。そうこうするうち、いつの間に遠く離れた森に移っている。秘すれば花―、見えざる住人に想像を膨らますのも一興か。
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惜桜小屋絵日記
ミズキやサワフタギの白い花が緑に染まってしまいそうな初夏の森