2009年5月29日(金)

 渡りをするアサギマダラが、ひんぱんに小屋の森に姿を見せるようになった。大きな翅を風に乗せ、ふわりふわり、ゆるやかに滑空し、枝葉が混み合う林のなかでも、たくみにすりぬけてゆく。その優雅な舞い姿と、渡りのナゾもあり、この蝶のファンは結構たくさんいる。

 寒さ厳しい信州では越冬が難しいため、今見るアサギマダラは、暖かい南で羽化し、春とともに北上してきた移動個体。7、8月になれば当地で羽化した固体も含まれるという。
 よくあるガガイモ科のイケマが幼虫の食草。成虫のアサギマダラがが好んで吸蜜するのは、フジバカマやヒヨドリバナである。

 小屋の森を下ったアジサイの名所舟渡山公園に、そのフジバカマとヒヨドリバナの植栽が始まった。諏訪湖対岸の立石公園が、国蝶オオムラサキの繁殖地として知られるようになったので「こちらはアサギマダラを」と、熱心な会員のFさんが発案、「花咲き蝶舞う憩いの里」を目指すボランティアスタッフも、その実現に意気込んでいる。
 外野にいる私も、庭先の20数株を指定された場所に移植し、ささやかながらお手伝いさせてもらった。
 オオムラサキとアサギマダラはかつて国蝶の座を争った仲である。
 

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惜桜小屋絵日記