2009年5月25日(月)

 小屋の森の散策路は日ごと緑が濃い。木々の奥深くキビタキとオオルリがしきりにさえずり、エゾハルゼミが物憂げに鳴いている。
 エンレイソウはすでに散り、チゴユリ、ヒトリシズカ、ルイヨウボタンも見ごろを過ぎた。めぐる季節は旅人のよう足早に通り過ぎて行く。
 行く春や鳥啼き魚の目に涙 (松尾芭蕉『奥の細道』)
人生は旅 世は夢・幻―という芭蕉が、旅立つ別れを惜しんで詠んだ。
 地域の役を共に務めた近しい友が、永久(とわ)の旅についた。若葉を揺らす風の音が心にしみる森の夕暮れ、シーズン初啼きとなる不如帰(ホトトギス)が テッペンカケタカ と絶叫するのを聞いた。
 

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惜桜小屋絵日記


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