小屋の森について軽トラを降りると、白い花びらがヒラヒラ降るように舞い下りた。ヤマザクラがもう散り始めている。
爛漫と咲く姿を愛でる間もなく、もう春の風に散り急ぐ。いさぎよさと、はかなさの象徴のような桜の花の一生。
「終わりこそおかしけれ」(徒然草)と、かの兼好は散りぎわの情趣を楽しめ―というのだが、移ろう季節のあまりの速さに、ついあたふたしてしまうのは、風流を解しない俗人のかなしさ。
戻る
惜桜小屋絵日記
2009年5月4日(月)