夏も近づく『八十八夜』(雑節)。夏陽気に誘われ友人と、かつての入笠山伊那側登山口にある渓流沿いの旧廃村高遠芝平を散策した。
近年豊かな自然が見直され都会のIターン、旧村民のUターン家族が、ログハウスを新築し、廃屋に手を入れ、セカンドハウスの山里生活を楽しんでいる。
渓流に流れ込む沢筋のニリンソウ【写真左】は、花びらの先をほのかなピンクに染め、可憐で素朴なたたずまい。猛毒で知られるハシリドコロ【写真右】も、あちこちに群生し、赤紫の花をつけ初めている。
散歩中のタヌキと鉢合わせになり、しばらく正面で向き合ったまま、サテどう挨拶(?)したらなど考えていたら、後からツーリングの若者が事情を知らずに飛び出そうとして、三者共に大慌て。ニホンジカが1頭、雑木林から姿を見せ、悠然と笹を漕ぐように雑木の斜面を下っていった。
まだ流れの細い支流から舞い立ったコマドリは、一旦目の前の枝に止まり、赤茶色のスマートな姿を披露したあと新緑に隠れた。しばらく待ったが、ヒン カララララ というあの美声を聞くことはできなかった。