午後の小屋の森はどことなく空気が華やいでいた。
夏鳥のオオルリが今年初めて姿を見せ、カラマツの梢でさえずっている。日本三鳴鳥の筆頭に数えられる美しい歌声である。
小屋の脇にある小さな雨池では、ヒガラとメジロが仲良く水浴びを楽しんでいる。かたわらのウワミズザクラに止まってヒヨドリが一羽、おとなしく順番を待っていた。
これも三鳴鳥のウグイスが、小屋の周辺を移動しながらしきりに鳴いている。子育てする場所を探しに、毎年この時期に現れるけれど、ブッシュ育ちには小屋の森の林相はお気に召さないようで、次第に遠ざかっていった。