里山越しに輝く八ヶ岳の雪嶺を背に、広大無辺の空をわが庭のように、悠然と舞うトビの姿は、晴れ晴れとして見える―。
 実のところ八ヶ岳の峰々ははるか彼方、至近とも見える景色はレンズのイタズラである。ここ数日、我が家の周囲にとどまって、しきりに鳴くトビを、2階ベランダから望遠レンズで追った。
 畑を隔てたアパートの屋根で、電線で、また電柱のテッペンで、ピーヒョロロロ、ピーヒョロロロと繰返す。のどかのようで時折どこか張りつめた感じもある、その鳴きの間合いが今日は少しひっかかる
 人の世を見下ろし冬空に舞うトビの何を想う。残念ながらその心を読み解く知識はない。
 ただ、明日は節分、そして立春を迎える。
 

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惜桜小屋絵日記

2009年2月2日(月)