昨夜来の雨があがり、流れる雲間に時おりのぞく青空から、明るい日差しが漏れるのを見て、正午すぎ惜桜小屋を訪れた。
 山あいに望む諏訪湖対岸の八伏山系に夕べ降った雪が輝いている。
 しし街道(けものみち)を峰までたどると、寄せては返す荒波のように、轟々と木々の梢をならし、冷たい木枯らしが吹いている。
 見上げれば木の間に透ける青い空がある【右上】。
 小屋への帰りに霧雨が音もなく襲ってきた。
 ここだけ黄葉が散り残るコナラの大木が、スポットライトのような日差しに照らされ、ほんの数秒だけれどとてもきれいに輝いた。
 晩秋から冬へ、季節の端境期はいつもちぐはぐな表情に驚かされる。
 

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惜桜小屋絵日記

2008年11月28日(金)


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