雨上がりの小屋の森に注ぐやわらかな初冬の日差しを背に、いつもの雄ヤマドリが餌をついばみながら、ゆっくり目の前の林道を横切ってゆく。
 画面には見えないけれど、左手の林にはメスが一羽、「おとうさん人間よ、早く来て」とでも言いたげな表情で、心配そうにたたずんでいる。
 逆光に浮かぶシルエットはあわてる風もなく堂々としている。シャッターを1回だけ押して、じっと通り過ぎるのを待った。
 

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惜桜小屋絵日記

2008年11月25日(火)