前夜からの秋雨がやむのを待ち、夕方近く小屋の森を訪れた。
 たっぷり水を含んだホダ木に、ナメタケがひしめいている。たしか一昨日はなかったのに、驚くほどの成長ぶりである。
 霧に煙る森は「風なく 気清うして 秋心に満つ」(蘆花)。しばらく椅子にすわり、イキモノの気配に神経をとぎすます。しじまをやぶるのは、いつも"空気の読めない"ヒヨドリだ。数羽の仲間がキーエキーエとやかましく鳴き交わしながら台風のように通り過ぎていった。

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惜桜小屋日記

2008年9月18日(木)