イチゴジャムをつくるため、およそ10kmほど山道をたどった日向入りの茸山にでかけた。もちろん採取権を持つ知人も同行しての入山である。
 林内の一角に群生するキイチゴ(モミジイチゴ)は、黄色く熟し食べごろを迎えている。ぎっしりついた大粒の実は、前夜の雨のしずくをまとい、木漏れ日にキラキラ輝いてきれいだ。
 時おり新鮮なイチゴを頬張りながらも、1時間ほどで中くらいのボールがいっぱいになった。
 木陰にササユリが一輪、淡いピンクの花をつけていた。ホトトギスがしきりに鳴いているのは、里子に出したわが子をぼつぼつ引き取る算段でもはじめたものか。春先から鳴きっぱなしのウグイスのノドはいよいよ磨きがかかっている。
 梅雨晴れの森は思わず深呼吸するほどすがすがしい。

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惜桜小屋日記

2008年7月4日(金)