小屋の森は爽気にあふれている。
気温15度、時折吹く湖風はやや肌寒いけれど、日差しは暖かい。
朝から夕方まで小屋でくつろぐのは久しぶり。目の前で繰り広げられる野鳥のページェントは、見ていてあきることはない。
日本の三名鳥に数えられる夏鳥のオオルリが今年初めて姿を見せ、美しいノドとスイスイ滑るような舞姿を披露してくれた。
ポン ポン ポン ポン と鼓を打つような鳴き声に由来する託卵鳥(注)のツツドリも今シーズン初めて聞いた。例年今頃やって来る夏鳥である。
4種類いる託卵鳥がこの森に渡って来るのはこのツツドリが最初、5月に入ってすぐホトトギス、追いかけるようにジュウイチ、そしてカッコウがのどかに歌う5月中旬になれば、初夏である。
【上左から】雨池で水浴のあと近くのミツバアケビのツルに止まって毛づくろいするヤマガラ、ミズキの高い枝を縦にスイスイ上るコゲラは青空を背に気持ちよさそう、デッキから見下ろす林床を餌をあさりながらゆっくり移動するヤマドリはどうやら近くで子育てする気配、ヤブに隠れているが背中の瑠璃色がまばゆいオオルリは小屋の森一番の歌姫
【下左から】青空を映す雨池で水浴びするヤマガラ、里でも森でも元気いっぱい飛び回りおしゃべりも賑やかなヒヨドリ、咲き始めたチョウジザクラは楚々として目立たない
【注】 外の鳥の巣へ卵を産みつけ子育てしてもらう鳥。例えばホトトギスはウグイス等に託卵