春告げ鳥のウグイスを初めてカメラに収めた。いつもヤブをくぐって移動するので、目にするのさえ難しい。
昼近く小屋の森の麓にさしかかると、激しい警声が聞こえてきた。
キッチョッケ キッチョッケ キョキョキョキョキョと繰返す。
数メートル先のヤブの中を、あちこち移りながら鳴いている。今まで聞いたこともないほど激しく、ただならぬ気配である。
5分ほど続き、一瞬、鳴き止んだ。
次に聞こえたのは、いつもの正調節。
ホホーホケキョ ホホーホケキョ
穏やかな春日和。世はこともなしの風情である。
さて、あのノドも裂けよという警声は、なんだったのか。
かたわらにフキノトウがいっぱい、春の日差しを浴びていた。