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惜桜小屋日記

2008年4月4日(金)


 十数年ぶり(?)になるだろうか、小屋の森にヤマドリが帰ってきた。
ドドドドッと羽音を響かせる繁殖期の縄張り宣言、ホロ打ち(ドラミング)が林内に響き渡った。長い尾羽を揺らせながら、芽吹き前の林床をゆっくり踏みしめ、威風堂々現れた雄ヤマドリを見て、十数年前のヤマドリとの邂逅シーンがフラッシュバックし懐かしい気持ちにさせられた。
 見よう見まねの日曜大工で小屋作りを始めた当時、すぐ脇を行ったり来たりするヤマドリに、随分と元気をもらった。「あれはオレのヤマドリだ」と、宣言していた友人の猟師によって、あえなく剥製になっているから、別人であることは間違いないけれど、玄孫(やしゃご)くらいの世代だろうか。
 かたわらのダンコウバイは、年年歳歳変わらぬ花芽を膨らませている。繰り返し繰り返し引き継がれる命の営みも、また悠久であると信じたい。
 
 

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