寒の雨を襲った寒波が、里山の森にガラス細工のような花を咲かせた。
木々の枝に滴る雨滴が凍りついた樹氷である。12日の雨のあとの冷え込みが生んだ造詣だろうから、昨日来ればもっときれいだったのかもしれない!?。
午後になって訪れた峠の森は、日差しを浴びてキラキラ輝いていた。写真を撮っていたら、通りかかった年配の主婦が「きれいだね。―この先のサクラ並木の方がもっときれいだったよ」と、やくやく車を止めて教えてくれた。
車道から山路に入った。大きくふくらんだダンコウバイの花芽も氷につつまれているが、格別寒さに震えているふうもない。薄く積もった雪道に蹄のうしろに副蹄の跡をつけたイノシシの足跡が続いていた。