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 しばらく前に森林整備が終え、かつての里山の景観を取り戻した明るい林内に、200名余の人たちが入って、短く伐った間伐材や下層木を、きれいに片付けた。大勢の人たちが一斉に入ったことによって、豊かな森林の表情を垣間見せる、いろいろな発見があった。

 窪地で休んでいたバンビが、突然人の群れに囲まれて、しばらく右往左往していたが、そのうちに疲れてうずくまってしまった。この子の母親は、先ほどバリバリというような重い足音を残して、森林を駆け抜け、その辺に姿はない。 
 捕まえられたバンビはすぐに放されたけれど、一旦観念したあとだけに、慌てて逃げる風もない。
 
 わずか数10センチの足元から飛び立ったヤマドリの羽音には、人間の方が驚いたようだ。
 僅かな窪地に九つの卵があった。抱卵中の母鳥は、周りの林床に溶け込む保護色【写真上】に余ほど自信があるのか、ギリギリまでふんばったけれど、触れんばかりの人影に、こらえきれず逃げ出した。
 
 この辺ではほとんど見られなくなったシュンランに、驚喜した愛好家もいた。ベニバナイチヤクソウ【写真下】やチゴユリの群落もいくつか見つかった。この森林では先日、間伐した大木から子育て中のムササビの巣も見つかっている。

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惜桜小屋日記

2007年5月27日(日)