いつもの年より早い、崖っぷちデビューである。
近くの峠路に姿を見せたカモシカは、姿、形、顔つき(?)など、やはりいつもの熟年カモシカと思われる。
 崩落防止工事が施された法面に、へばりつくように、しかし悠然と、僅かに見える青草を食んでいる。すぐ下は、車がひっきりなしに往来する幹線道路だけれど、いっこう動じる気配はない。

 雪の深い冬は姿を見せず、この崖に現れるのは、例年だと3月に入ってから。この時期のデビューはやはり暖冬ゆえか。
 
 それにしても、角がなければ熊と見まがう面構え、毛並みも黒く、ずんぐり体型。まだ暗い払暁の峠路でこんな姿が前照灯に浮かべば、ドライバーが「熊が出た」と、通報するのも不思議はない。
 昨年この峠で相次いだ熊目撃情報も、どうやらこの熟年カモシカの誤認らしい。

 崖っぷち犬が話題となったけれど、こちらはこの程度の崖はへっちゃら。鈍重に見えて、意外に身が軽いのである。


 

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惜桜小屋日記

2007年2月1日(木)