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惜桜小屋日記

 紅葉狩りをしていて、人里から数キロメートル入った山道に、人懐かしげな視線を向けてたたずむ、一匹のネコを見た。
 ノネコでないことは、その穏やかな表情から見て取れる。
 観光道路が近い。行楽客が車で連れてきた飼い猫を、厄介払いしていったのだろう―とは容易に想像がつく。
 以前、子育て中のノネコに出くわしたことがある。威嚇してくるその形相、うなり声は猛獣そのもの。怖かったのを覚えている。  この捨て猫?も、生きていくために野生の猛々しさを取り戻し、近づくものを威嚇する日がくるのだろうか。
 森の中でネコひとり何を思う。
 とりあえず秋晴れの紅葉の輝きが救いに思えた。
 

2006年11月22日(木)


 二十四節気のひとつ 小雪(しょうせつ)の朝
リゾート施設のある小屋の森の頂(いただき)に上ると、諏訪盆地は純白の雲海に覆われていた【写真左】。
 澄みきった空気が、雲海を隔てた霧が峰高原と、その奥の八ヶ岳の峰々を、指呼の間に引き寄せている。
しばし 一幅の絵を前にした 穏やかな気分にひたることができた。
 下って小屋の森の麓を散策する。
カラマツが黄金色に輝き
青空とのコントラストが素晴らしい【写真右】。
今朝は なんだか得をした気分である。