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 記録的な豪雨が襲ったとはいえ、ごく普通に松や雑木がはえた森の斜面が突然崩れ、水をたっぷり含んだ泥流が、立木をなぎ倒しながら、猛烈なスピードで林を駆け下る。
 豪雨災害のすさまじい現場を何ヶ所か見て思った。
 自然災害はどんなに手立てを考えようが、永久に繰り返されるもの。それは人智を超えたものではないかと。人の予知能力など知れたもの。自然界の自由奔放さにはとても太刀打ちできるものでない。自然と向き合う時はひたすら謙虚でありたい。
 とはいえ、人命を奪ったり、生活に打撃となるような災害の要素は、できる限り除いてゆくのも人の知恵―。
 今回の豪雨災害では、隣町で多数の犠牲者が出た。
 いくら人智を超えた存在であっても、自然の猛威を甘んじて受容する―余裕など正直言ってない。
 自然との共存は一筋縄ではゆかない。
 
メビウスの輪(帯)に似て、いつも裏腹である。
 

惜桜小屋日記

2006年7月23日(日)

なんの変哲もない林が崩れ大量の土砂が流れ下って5枚の休耕田を覆った有賀峠近くの山林