一週間ぶりに訪れた小屋はミソサザイに占領?されていた。
入口にインテリアとして掛けた古い背負子に、コケをいっぱい運び込んで、巣づくりをはじめていたのである。
小屋に近づくと、チチルチチルチチチチルチルとあの独特のさえずりが聞こえてきた。近くの枯れ木にとまって、なかなか立ち去る風がないので、アレッと思ったけれど、まさかこんなところに巣を作っているとは思いもよらなかった。
知らぬこととはいえ、とんだ邪魔をしてしまった。
一時間ほどして、林の奥へ姿を消したけれど、その直後にこのつくりかけの巣を見つけて、アッいけないと思ったときには、まさにあとの祭り。なんとか巣作りを続けてくれればよいが―。