ここしばらく、目先の忙しさにとらわれていた。ひと息ついて深呼吸してみたら、里山ははや早春の息吹に溢れている。
 春陽気に誘われて、山ろくに足をのばしてみた。
 オオイヌノフグリの群落が、散策コース脇の日当たりの良い土手を、コバルトブルーに染めあげている。こうした光景に出合うと、浮き立つような、明るい気分になります。
 この花は年明け早々にもう見られるけれど、ここまで大らかに咲き誇るのは例年3月も下旬だから、気候が進んでいるのだろう。
 先日は林道で冬眠から覚めたばかりのアカタテハ蝶を見た。そういえばいつの間にやら啓蟄(3月6日)も過ぎている。
 日差しも暖かく、日も長くなった。
 自然界は少しずつ厚い衣を脱ぎ捨てている。
 とはいえ光の春は三寒四温。行きつ戻りつ気ままなだけに、まだまだ余寒に油断はならない。

惜桜小屋日記

2006年3月11日(土)


戻る