キチキチキチキチ キーキー キョンキョンキョンキョン
 秋になって山から里に下りてきたモズが、甲高い鳴き声を響かせています。「来年もこの近所に巣を作って子育てするぞ。邪魔するな。文句のあるやつは今のうちに名乗りをあげよ。堂々と勝負ショーブ」と、少々見栄を張った縄張り(テリトリー)宣言です。
 今年、向かいの家の梅の木に巣をかけたモズでしょうか。はっきりはわからないけれど、たぶんそうでしょう。巣立ったこどもは、新しい土地を求めて旅立ったようです。人生いたるところ青山ありです。
 この辺はいじめっ子もおらず、天敵だったノラネコもこの夏、老衰で大往生しているだけに、住み心地の良い場所なのでしょう。
 電線や高い庭木にとまって、澄んだ秋空を切り裂くように激しく鳴く姿は、からだこそ小さいけれど凛とした風情。「見ゆる敵見えぬ敵鵙(もず)力満ち」(加藤楸邨)の気迫が伝わってくるようです。  

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惜桜小屋日記

2005年9月28日(水)