昼近く小屋へ。気温20℃。
蝉の声なし。ただ、林を渡る鳥影あり。静かな森に時折、はじけて落ちる栗の実の葉を打つ音が、バサッとことさら大きく聞こえます。
木陰となる階段付近に、キバナアキギリ【写真】の花が、驟雨にしっとりぬれて咲いています。これもじっくり観察すると、温かみのある澄んだ黄色い花びらを、大きく下に開いた、趣のある花です。
小屋前広場脇の背丈より少し大きいアブラチャンを、覆うようにツルをはわせたサンカクヅル(ヤマブドウの仲間)の房が、黒紫色に熟してきました。これで2リットルくらいの果実酒ができそうです。
30メートルほど離れた、松の大木にからんだサルナシが、樹冠近くでいっぱい実をつけているのが、望遠鏡の視野に入ってきました。地上10メートルを超える空間だけに、これを採るのは無理でしょう。
ホダ木のナメコやヒラタケ、クリタケは、まだもう少し先。小屋の森は、これから日々秋の気配を深めてゆきます。