やっと夏本番を迎えたばかりというのに、早くも秋の七草の萩が花をつけ始め、近くの峠路は片斜面が赤紫色に染まるほどです。
冬になれば春を探し、春になれば夏を求め、夏になれば秋を手繰り寄せる。なんとせっかちなことか、と思わなくもないけれど、人間とは来るものに未知なる好奇心を求めつつわけもなく先へ先へと急いでしまうもののようです。
それにしても今年は、萩の花の咲くのが、特に早い気がします。
となると、すぐに地球温暖化の影響だ、異常気象だ、いやいや異常気象はもう平年化して気候変動を起こしている―など、環境問題がかまびすしいほどの昨今です。
「やぁもう萩が咲いたか」
と、季節の移ろいを、素直に受けとめ、風月を愛でる心が、どこかに飛んでいってしまったような状況は悲しむべきものがあります。
惜桜小屋日記
2005年7月21日(木)