真夏日となった下界を逃れて上ってきたものの、梅雨明けの小屋の森も最高気温が27度近く、短パンにランニングシャツでも、汗が噴き出るような、猛暑となりました。いよいよ夏本番です。
いつものクロツグミとキビタキがさえずっていますが、子育てをはじめた春先のようなノドの張りは、もう感じられません。
まだ太陽が中天にあるのに、遠くヒグラシが鳴いています。渡りをするというアサギマダラ蝶が、ヒラヒラ樹冠めがけて舞い去りました。
色合いから青年とおぼしきトカゲ【写真】が、正面デッキの階段に現れ、チョコマカ動き回っています。
なまじの音や声はもちろん、景色さえもが、木々の深い緑に同化してしまいそうな、真夏の小屋の森です。そんな静かに沈む森にたたずめば「人はみな大河の一滴として海に還り、ふたたび蒸発して空に向かう」(五木寛之)大きな生命の物語のなかにある身をふと想ったりします。
惜桜小屋日記
2005年7月18日(月)