梅雨明けを控えた小屋の森は、さすがにハルゼミの声はなく、エゾゼミの登場もこれからとあって、静かなたたずまいです。
 時おり、ヒグラシの涼しげな鳴き声が、ふもとからかすかに聞こえてくるほかは、クロツグミの所在なげなさえずりが、昼下がりの森を一層けだるいものにしています。
 小屋の森では、つい先日からオニノヤガラとクモキリソウが、地味だけれど個性的な花をつけています。
 いずれも蘭科の野草ですが、それほど珍しくもなく、かといってどこにもあるというほどでもありません。
 なにやかやあって三日ほど訪れなかったら、ほだ木栽培のシイタケがあっという間に大きくなって、一部はすでに腐りがはいっています。
 まごまごしていれば、ヒラタケやクリタケ、ナメコがほだ木をびっしり覆う秋も、もうすぐです。 

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惜桜小屋日記

2005年7月15日(金)


写真は上からオニノヤガラ、クモキリソウ、シイタケ