早朝、菜園へ向かう途中の山みちに、ホタルブクロがいくつか咲いていました。つゆに濡れて紅紫色が一層鮮やかです。
これが咲くと、いよいよつゆ明けも近く、夏本番もすぐそこです。
ひところすっかり影をひそめ、絶滅さえ心配されたホタルブクロですが、最近盛り返してあちこちで見かけるようになりました。
ビーバーで土手の雑草を刈る際も、この花だけは刈り残す配慮が見られるのも、うれしいことです。
見つけると根っこごと掘り起こして持ち帰る、ゆがんだ山野草ブームに流されていたひとたちの心が、「やはり野に置け―」という、当たり前の感覚を取り戻しつつあることも、追い風です。
ちょっとした気配りによって、たくましい自然の回復力を、引き出すことも可能なのです。オミナエシやキキョウとともに、野原や土手にごく普通に咲くようになってほしい野草のひとつです。
惜桜小屋日記
2005年7月9日(土)
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