森を歩いて、思わぬ珍客に会えました。
 ここ数年というもの「今年こそやって来るだろう」と期待しながら、裏切られ続けてきただけに、大感激です。
 午後になって、暑さを逃れ諏訪湖西山の森に入りました。
 小屋の森から数百メートル離れた別の沢筋の、ふもとに近い一帯は杉とカラマツが密生した暗い林。落ち葉が厚く積もった山みちが、ゆるやかに頂上に向かっています。分け入ってすぐでした
 グィグィ ポポイ、ポポイ、ポポイ ホイホイホイ
 サンコウチョウです。
 「月 日 星 ホイホイホイ」という"聞きなし"から、三光鳥の名前がついています。茶と白と青の美しい羽根をつけ、オスはからだの倍以上ある長い尾を持つ魅力的な夏鳥。長野県では絶滅危惧種にリストアップされるほど生息数が減っている珍鳥です。
 うっそうとした高い枝の葉陰で、10秒くらいの間を置いて、四回だけ鳴いて飛び去り、残念ながら姿は確認できませんでした。
 今ごろ鳴いているとすれば、子育てしているのかもしれません。
               

 近くの林で、群生したコアジサイが花の盛りです。淡い青紫色した花からは甘い香りが漂っていました。
 タイミングが良かったのか、山みちに沿って十数本あるキイチゴ(モミジイチゴ)が、黄色のつやつやした大きな実を沢山つけ、いまが食べごろです。手にいっぱいもぎ取って頬ばると、甘い果汁が口いっぱいに広がって、そのおいしいこと。
 山歩きには予期せぬこんな楽しみもころがっています。
 

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惜桜小屋日記

2005年6月24日(金)