日中の最高気温は25度を突破し、久々の夏日です。自宅の暑さから逃れ、午後になって小屋の森を訪れました。
フッとほのかな甘い香りが鼻をかすめたので、何気なく足元を見ると葉っぱが白く光っています。ただの露ではなく、何か透明な液がこびりついた感じで、触ると少しネバつき、なめるとかなり強い甘みがあります。さてこれが甘露(かんろ)なるものか―!?。といって、実のところ甘露にお目にかかったこともなく正体は不明です。
森をひとまわりしてみましたが"甘露"が見られるのは、およそ十メートル四方で、森全体ではありません。
あとで辞林21で「甘露」を引いてみると
「夏、カエデ、エノキ、カシなどの樹葉から滴る蜜液。アリマキ(注:アブラムシの別名)の分泌したもの」とあります。
確かに小屋の森にはイタヤカエデ、ウリハダカエデがあります。樹液に甘みがあるというミズキは特に豊富で、しかも今が花盛り。"甘露"の降りたあたりには、細いミズキが数本立っています。
そういえばこれと同じものを平成6年にも見ています。五月下旬から六月上旬にかけて3回。特に最後のときは地面がしっとり濡れ、葉の上に玉になって盛り上がるほど大量でした。
その場所にもミズキがあり、葉の裏に半透明の緑色した虫が、びっしりついていたのを覚えています。
ベランダにいて、ほのかに甘い香り感じ、確かめようと深く息を吸い込んだりすると、もう何も感じません。しばらくしてふと気がつくと、甘い香りが鼻先をスッとかすめて、さってゆきました。
惜桜小屋日記
2005年6月3日(金)
アブラチャンの葉を濡らした甘い露