朝方の電話で急きょ、山梨まで足を伸ばす行楽の一日に。新緑の八ヶ岳山麓道路をひた走り、先日NHKテレビで紹介していた俳優・柳生博さん経営の八ケ岳倶楽部を訪れたのです。
 昼どきでしたが、同じ中高年で賑わう名物レストランを敬遠し、自身で造成したという雑木林を、見学させてもらいました。
 落葉広葉樹をほどよく配置し、明るい林床にさまざまな野草が育つ、典型的な雑木林の美しさを再現。そこに鉄道の枕木を埋め込んだ遊歩道を巡らし、自由に散策を楽しむことができます。
 ホーホケキョ、ホホーホケキョ
 一歩足を踏み入れた途端、耳元にいきなり飛び込んできた、ウグイスのサエズリ。それも特大のボリュウム。澄んだ名調子が雑木の若葉と共鳴し、薫風を誘うすがすがしさです。
 「柳生さんは日本野鳥の会会長の要職にあるというから、ウグイスも気を使っているのかもしれない」
 「これだけ舞台装置が整えばウグイスだって張り切るさ」
 あまりに明瞭な歌声に、かえってセッティングされたBGMと勘違いされたか、関心を示す行楽客が見当たらないのが笑えるほどでした。
 このあと、近くで開催中の世界的山岳写真家・白籏史朗の世界展(6月26日まで、山梨県立八ケ岳自然あれあいセンターで開催中)に足を伸ばしたのですが、雄大かつ神秘的な山々が、圧倒する迫力で迫ってくる作品群は、すばらしいものでした。
 

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惜桜小屋日記

2005年5月30日(:月)


新緑の八ヶ岳山麓