夜明けを待って菜園へ出かける途中の峠路で、交通事故にあったテンの死体を見つけました。昨年九月にも同じ場所で輪禍で死んだテンを見ています。移動コースとなっている獣道が、車の往来の激しい峠路を、この場所で横切っているのでしょうか。
この辺の森の、食物連鎖の頂点にいる、怖いもの知らずのテンも、交通戦争だけは少し勝手が違うようです。
森を分断する幹線道路には、動物たちが車道を通らなくても渡れるように、地下連絡通路をつくる発想が一般化しつつあります。この峠路のことはともかく、環境の世紀といわれる今世紀中には、ごくあたりまえの道路構造になるに違いありません。
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遅霜を警戒する"九十九夜の泣き霜"なんて他人事と油断し、見事にパンチをくらってしまいました。
知らないでいたら、昨日霜が降りトマト、ナス、カボチャ、サツマイモ、ジャガイモの一部が、またゴーヤの全株がすっかりしおれ、捕植しなければならないようです。
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菜園から帰って、むすびをリュックに入れて、少し離れた山みちを歩きました。シデザクラ、アオダモ、ウワミズザクラの花が、新緑の森を白く彩る光景は、目にやさしく癒しの効果も絶大です。
赤紫のミツバツツジ、黄色いクロモジの花も今が盛り、足元にはセンボンヤリがひっそり咲いていました。
はだけた山の斜面を横切るカモシカがいました。これだけ頻繁に目にするようになると、驚きも割り引かれてしまいそうです。
惜桜小屋日記
2005年5月12日(木)
写真は左上から右へ/カモシカ、輪禍にあったテン、霜害で枯れた菜園のゴーヤ、シデザクラ、ウワミズザクラ、クロモジ、アオダモ、ミツバツツジ、センボンヤリ