ことしは、大きな楽しみがあります。
今のままでは絶滅も心配される、長野県希少野生植物のひとつヤマシャクヤクが、小屋の森に芽を出しました。今年は1株増えて4株、もう草丈10センチほどに成長しています。
より希少性の高いベニバナヤマシャクヤクの可能性も高いのですが、いずれもまだ花をつけていないので、同定(種類の確定)は難しい状況です。ただ郷土の植物研究者からは「ベニで間違いないだろう」と、うれしいご託宣を受けています。
うち2株は最初に発芽を確認してからもう5年目、それに昨年までと違って、茎も太くしっかりしている感じもあり「今年こそは花を咲かせてくれるに違いない」と、ひそかに期待を膨らませているところなのです。
小屋の森では2000年に1株のベニバナヤマシャクヤク【写真右上・右中 右下は実】が花をつけましたが、翌年には消えてしまっています。園芸種のような艶やかさはないけれど、一重の淡いピンク色した五弁の花びらは清楚な魅力にあふれ、花が散ったあと実がはぜると、真っ赤な中に黒い種が現れました。変哲もない野草にまじって咲いた花を見て、違和感さえ感じたその強烈な印象は、まだはっきり覚えています。
惜桜小屋日記
2005年5月7日(土)