惜桜小屋日記
2005年4月12日(火)
小屋の森のジシャの花が咲き始めた。場所によって満開の木もあるけれど、大方は五分咲きといったところ。雨もよいで霧が流れるあいにくの天候のため、日差しに映える輝きはないが、つゆを含んだ淡黄色の花は、しっとり森の春の風情を感じさせてくれる。
正しい名前はアブラチャンといって、仲間にシロモジ(アカジシャ)、ダンコウバイ(シロジシャ)がある。いずれも3〜6メートルの落葉低木で新緑の前に花をつけ、総称してジシャの花として親しまれている。
この森にはアブラチャンが多く、これからしばらくは、森全体が淡黄色にけむって見えるが、下旬には新緑にバトンタッチする。
アブラチャンより大きな花をつけるダンコウバイは、小屋周囲に数本あるほか森のところどころに、ひと際鮮やかに咲いている。
ジシャの花が咲き始めると、森は春本番に向けまっしぐらである。