戻る

惜桜小屋日記

2004年12月20日(月)


 午後になって思い立ち、近くの里山を散策した。
 訪れたのは、最近県外にも知られるようになった有賀峠ザゼンソウの里公園に隣接する矢の沢である。
ここは昨年まで松、ヒノキ、カラマツに一部雑木も加わり、鬱蒼(うっそう)とした暗い森だったところ。
 ブッシュも多く道といえばシカやイノシシの獣道が通う程度。とても散策を楽しめるような森ではなかったけれど、地元の林野組合が今年、一帯を間伐し、総延長2キロメートルほどの作業道をこしらえた。
 日差しが差し込む、明るい里山に生まれ変わったのである。
作業道には落葉が敷き詰められ、格好の散策道路となった。
 家族連れが気軽に森林浴を楽しむことのできる自然公園として、さらに整備面積を拡大延長する構想もあるというから、一層楽しみ。
散策していてヤマドリが四羽飛び出した。ニホンジカの足跡はいっぱい残っている。先日、キツネと出くわしたのもこの森だった。
 動物と人が互いの気配を感じながら、適度の緊張関係を保ちつつ生活する、人里と奥山の緩衝地帯としてのあるべき里山の姿である。
それ以上、互いの領分を侵さず生活できれば害獣騒ぎも起こらないのだけれど、人も動物もすでに一線を越えそんな状況にないのも現実。共生に向けて新しい森の秩序が、一日も早く生まれるのを願うばかり。