2004年11月5日(金)

 ベニバナヤマシャクヤクの幼い草本を見つけたのは2001年のこと。惜桜小屋のある雑木林の別々の場所で、3株が育っているけれど、4年目の今年もとうとう花をつけなかった。
 極めて数が少なく、長野県希少野生植物に指定されているこの花は、本来なら六月初旬の梅雨入りの頃、花びらが一重の薄紅色の花をつける。園芸種のような艶やかさはないけれど、林の中に自生する姿を見れば、ハッとするほどの魅力的な野草である。
郷土の植物観察の権威として知られる小泉洋三さんは
「発芽しても、なかなか花をつけず五、六年かかることもある。咲くのはこれから」と、嬉しいご託宣。
ついでに、もう黄変した葉を持ち込み、同定を依頼した。
ベニバナヤマシャクヤクとの確信はあったけれど、この3株については実際に花を見ていないので「もしかすると白い普通のヤマシャクかもしれない」と、少しばかり不安もあったのだ。
葉の裏表を拡大鏡でていねいに観察した所見と
近くの場所で2000年に咲いた写真を見て
「マチガイナイ」と太鼓判を押してくれた。
となると、いよいよ来年こそは―。

2000年に咲いたベニバナヤマシャクヤク。翌年は絶えてしまった。
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惜桜小屋日記

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